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軽井沢「万平ホテル」全面改修終えグランドオープン 客室に温泉も

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 軽井沢の「万平ホテル」(軽井沢町軽井沢、TEL 0267-42-1234)が創業130周年記念事業として進めていた大規模改修・改築工事を終え、10月2日、グランドオープンした。

ジョンレノンも食べた名物のアップルパイとロイヤルミルクティー

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 グランドオープン当日は、同ホテル「アルプス館」エントランス前でテープカットセレモニーを行い、ホテルアソシエイトの記念撮影も行った。

 同ホテルは1894(明治27)年に創業。130年の歴史を持つ、日本の西洋式ホテルの草分けの一つともいわれるクラシックホテル。老朽化したため工事をしていた。正面建物でシンボルの「アルプス館」は1936(昭和11)年建築。国の登録有形文化財にも指定されている。そのため、木造の骨組みや天井を支える梁、ステンドグラス、照明などの部材は再利用し、できるだけ元の姿を残した。加えて今回の工事では見えない部分で、耐震性や断熱性を高めたり、エレベーターの設置や段差解消のバリアフリー化を進めたりしたという。

 同ホテルは「アルプス館」「愛宕館」「碓氷館」「バンケット棟」の4棟で構成。シンボルでもある「アルプス館」は全12室で、各部屋は36平方メートル~57平方メートル。丸く温かみのあるペンダント照明をはじめ、ガラス障子、猫足バスタブ、伝統工芸品の軽井沢彫家具など、万平ホテルに受け継がれる「和洋折衷」をコンセプトにリニューアル。フランス料理を提供するメインダイニングルーム、カフェテラス、バー、ショップ、レセプションなどがある。

 今回のリニューアルを機に建て替えられた「愛宕館」は全30室で、各部屋は45平方メートル~91平方メートル。全室に塩沢温泉の内風呂を設けた。

「碓氷館」は全44室で、各部屋は45平方メートル~90平方メートル。4タイプある客室とスイートルームやテラス付きの部屋も用意する。

 同ホテルはザ・ビートルズのメンバーだったジョン・レノンが70年代後半、夏になると、1カ月ほど家族と一緒に滞在していたことでも知られる。「カフェテラス」でジョン・レノンが食べた「伝統のアップルパイ(1,100円)」やスタッフに作り方を教えたという「ロイヤルミルクティー(1,300円)」も当時のまま提供。今回、カフェテラスは73席から102席へ増席した。グランドオープン当日は入店を待つ長蛇の列がエントランスの外までできた。

 伝統は生かしつつも、リニューアルで新たな客の獲得も目指す、新料理長が就任した「メインダイニングルーム」では、フレンチのディナーコース「けやき」(2万1,000円)では、「基本のソースやブイヨンは変えず、地場の食材で地産地消にこだわりつつ、盛り付けは華やかなものにするなどした」という。

 リニューアルした「ショップ」では新商品「万平ホテルプレミアムクッキー缶」(6,800円)や「伝統のフルーツケーキ」(2,800円)、ホテル看板をかたどった「木製キーホルダー」(1,500円)などのステーショナリーも扱う。

 大阪から訪れた40代男性は「軽井沢が大好きで、万平ホテルが今日グランドオープンになると聞き訪れた。愛宕館のスイートタイプの部屋に宿泊するが、素晴らしい部屋で感激している」と話していた。東京から3年ぶりに軽井沢を訪れた30代と40代の女性2人組はカフェテラスに並んだ。「名物のアップルパイとロイヤルミルクティーを注文したい」と話す。

 今回新たに就任した佐々木一郎総支配人は「休業前のスタッフを(別部署から)ぜひ戻したいと思い、(今回)実現した。以前と変わらない部分と新しくした部分が融合して、お客さまをお迎えできる」と話す。

 西川真司支配人は「今年で創業130周年。明治から令和へと歩んできた。新しいけれど懐かしいと、感動していただける建物になった。併せて、創業当初より『おもてなしは心なり ホテルは人なり』の言葉と共に受け継がれている『万平ホスピタリティー』を続けていきたい」と意気込む。

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