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軽井沢で「ベアドッグと歩く森さんぽ」 熊の冬眠期間限定でツアー

ベアドッグ「エルフ」とハンドラーの井村潤太さん

ベアドッグ「エルフ」とハンドラーの井村潤太さん

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 熊をはじめとする野生動物の保護管理に取り組むピッキオ(軽井沢町星野)が現在、熊対策犬「ベアドッグ」と森の中を散歩し、参加者に「ベアドッグ」の仕事について知ってもらうツアー「ベアドッグと歩く森さんぽ」を期間限定で行っている。

ベアドッグ「エルフ」

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 同ツアーは、熊が冬眠している冬季限定で催行しているもので、毎週日曜に各回6人までの少人数制で行っている。

 2月26日のツアーでは、ツキノワグマの生態に精通しているハンドラー(ベアドッグの飼育兼訓練士)井村潤太さんが、熊対策犬「ベアドッグ」の仕事についてレクチャー。「ベアドッグ」が大きな声でほえて、人の居住エリア近くにいる熊を森の奥へ追い払う。「追い払い」を繰り返すうちに、熊はそのエリアを「いてはいけない場所」だと理解するようになるという。ベアドッグは熊に襲いかかることはせず、一定の距離を保つことが得意なので、熊も犬も傷つかずに済む。ピッキオでは、発信器を付けた20頭ほどの熊の居場所を調査したり、別荘地に進入した熊を追い払ったりすることで「熊との共存に向けた取り組みをしている」という。

 散歩には、現在ベアドッグとして活動する4頭のうち雌のエルフが出動。群馬県や東京都から参加した6人の参加者と対面した後、一緒に山道を散歩した。

 散歩の途中、エルフは動物のいる匂いを察知したり気配を察知したりすると、その方向へ急に駆け寄っていく。井村さんの解説で、熊がよじ登った形跡のある「木の爪痕」や熊が木の上で木の実を食べた後、枝を自分の尻の下に敷いてできた「熊棚」など、実際に熊の行動の痕跡を見学。

 井村さんがベアドッグに出す命令「コマンド」を見せて、参加者も実践。「Bark(吠えろ)」と言いながら、参加者が手のひらをグーにしてエルフの目の前に出すと、エルフは大きな声でほえた。

 東京都から参加した小学校3年の男児と6年生の女児のいる親子4人は「息子が小学校2年生の時、図書館でベアドッグについて書いてある本を見つけて興味を持ち、実際に会ってみたいと、念願のこのツアーに家族で参加できた。エルフは目が優しくてかわいかったし、賢い。参加できて良かった」と話していた。群馬県から参加した30代の女性と母親は「家で犬を飼っているので、なおさらペットとベアドッグの違いが分かった。りりしいし、しっかりハンドラーの指示を聞いて働く姿はとても格好良かった。集中力がすごかった」と話した。

 井村さんは「熊の活動期は、ベアドッグたちは熊の追い払いやパトロール出動で忙しくしているため、このツアーは熊の冬眠期間中限定で行っている。この機会に人と熊との親善大使といわれるベアドッグと散歩をして、ベアドッグの仕事を知ってほしい」と参加を呼びかける。

 ツアーは4月9日までの毎週日曜、9時15分~11時15分に催行。前日15時までにピッキオのウェブサイトで要予約。参加料金は、大人=6,000円。小学生(小学3年生以上)=4,000円。小学生は要保護者同伴。

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