軽井沢の中国料理店「榮林(えいりん)軽井沢店」(軽井沢町軽井沢、TEL 0267-42-0196)が年末、店を休業し、おせち料理作りと他県への発送作業、店での引き渡しに取り組んだ。
女将(おかみ)の内藤友利子さん=中国料理「榮林 軽井沢店」おせち料理の準備で年末休業 元日は初営業
26日から店を閉め、おせち料理の準備を始めた。軽井沢店は厨房が広く、気温も東京に比べて低く、おせち料理には保存料を使わないことから、食材にも良い環境のため、全国からの注文に対し同店で仕込みから発送まで行っているという。東京の店のスタッフ4人も手伝いに来た。
女将(おかみ)の内藤友利子さんは「先代の時代からおせち料理を継承している。お世話になっているお客さまへの感謝の気持ちを込めておせち料理を始めたと聞いている。元々は料亭を営んでいたため、時代が移り変わっておせち料理の内容も変化はあるが、お重を開いたときに料亭の料理のように感動を味わえるような中身を毎年心がけている」と話す。
榮林は1948(昭和23年)、料亭「榮林(えいばやし)」が東京・赤坂で開業。1956年(昭和31年)、「和の雰囲気で新しい中華を」のキャッチコピーの下、東京赤坂と軽井沢に「中国料理 榮林」を開業。2022年、東京・赤坂店は神楽坂へ移転。料亭時代から先代が着物で接客してきたことに倣い、内藤さんは神楽坂店で着物で接客を続けている。軽井沢店は62年間、同じ場所・建物で営む。
おせち料理は一段重から三段重まで3種類。蒸しアワビや車エビのチリソースは共通で、三段重には伊勢エビの料理も。ふかひれの姿煮込みも用意する。毎年12月中旬ごろまで予約を受け付け、今年は全国から約100件の注文を受けた。
内藤さんは「中華のおせち料理は日本のおせちに比べて色合いが茶系で華やかさが足らないと思われがちだが、試行錯誤の結果15年ほど前から現在の形になった。今でも毎年バージョンアップを重ねている。しばらくコロナ禍で制限があったが、今年は親戚や友人との初春の再会も増えてくると思うので、集まりのご膳に加えていただければ」と話す。「昨年6月にはロゴも刷新。2つのヒョウタンが寄り添っているイラストにした。先代と寄り添って経営してきたことを表現。今後もお客さまと寄り添って進んでいきたい」と話す。
営業時間は、ランチ=11時30分~14時(日曜・祝日のランチは14時30分まで)、ディナー=17時30分~20時30分。火曜・水曜定休(7月・9月は火曜定休、8月は無休)。初めて元日のランチとディナーの営業を行う(ディナーは予約制で満席)。1月4日から通常営業。