佐久市の千曲川スポーツ交流広場で5月3日から5日まで、「佐久バルーンフェスティバル2023」が開催された。
山々を背景に佐久平にの大空に浮かぶ競技用熱気球=佐久バルーンフェスティバル2023
同大会は、1年をかけて日本国内を転戦するシリーズ戦「2023熱気球ホンダグランプリ」第1戦の会場として、国内外からパイロットが集まり、3日間にわたり戦いを繰り広げた。30周年を迎えた今大会は、4年ぶりの有観客開催となり、ダンスパフォーマンスなどのイベントや出店なども通常通り行った。
参加機数は35機。競技では、それぞれの熱気球が、どれだけターゲット(=ゴールに設置してある×マーク)に近づけるかを競う。空中から投下したマーカー(=小さな砂袋にリボンがついたもの)とゴール(ターゲットの中心)との距離が近いほど高得点が得られる。ゴールに向かう風を見つけるのが競技のポイントになるという。
4日早朝、会場には全国各地から競技を見ようと約6万2000人が集まった。6時の開始から30分ほど経過した頃、会場から見て北西の空に多くの熱気球が出現。観客らは「たくさん見えてきた。すごくきれい」と口々に歓声を上げた。熱気球が高度を下げ始めると、観客はターゲットのある方向に歩いて移動し、熱気球からマーカーが投げ落とされる様子が見えると拍手を送っていた。
競技を見物していた、大学生と高校生の娘2人と来た佐久市在住の男性は「大学生の娘が連休で帰っていて、久々にバルーンを見たいと言うので連れてきた」と話し、大学生の娘は「フェスティバルに来るのは小さいとき以来で、久々に見られて良かった」、高校生の娘も「すごくきれい」と喜んでいた。長野市から親子3世代で訪れた女性は「高度を下げているバルーンがマーカーを投げ落とすのではないかと、目を凝らしている。ルールがよく分からないが、バルーンを初めて間近に見られてうれしい」と話していた。
会場では熱気球の搭乗体験コーナーも用意。4日は、事前に予約していた人、当日申し込んだ人合わせて約650人が体験した。体験コーナーでは、熱気球をロープで固定して高さを調節し、約25メートルまでの熱気球の上昇を体験する。
静岡県から来たという中学2年生と小学5年生の子どもと一緒に搭乗体験した母親は「朝4時に起きてきた。子どもたちも楽しめてよかった」と話し、子どもたちは「25メートルの高さまで上がったが怖くはなかった」と笑顔で答えた。軽井沢町から来たという40代の女性と50代の男性の夫婦は「頭の上でバーナーがボーッと燃えるのが熱いし、音が大きくてドキドキしたが、浮遊感がたまらなく心地良かった」「軽井沢とまた違った景色が目の前に広がり、高いところから360度眺められて気持ちが良かった」と話していた。
大会組織委員長の町田構造さんは「今年は30周年の記念すべき大会で4年ぶりに観客ありで通常通りに開催できて良かった。観客に大いに楽しんでもらえたのでは」と話した。
今大会の優勝者は、京都府から参加の山下太一朗さん率いる「ヤクルトマン号」、2位は愛知県から参加の宮田浩樹さん率いる「Canopus」、3位は埼玉県から参加の高橋一樹さん率いる「DELMAN」だった。
3日間の総観客数はのべ35万2000人だった。